ニュースNews

2019年12月28日 ニュース

MESA/Boogie 50th Anniversary 特別企画

MESA/Boogie 50th Anniversary 特別企画


  

MESA/Boogie History

MESA/Boogieは会社創設から今年で50周年を迎えました。

こちらでは、1969年から常に先駆者として激動のギターワールドを駆け抜けてきたMESA/Boogieの歴史を数回にわたって紐解いていきます。

知っていたという方も知らなかったという方も、貴重な画像とともにこの機会にぜひお楽しみください。

 

 

・草創期(1969~1982) 伝説となったBoogieアンプ~世界初のカスケード式プリアンプMark I、世界初の2チャンネルアンプMark IIの誕生。

・拡充期(19831989) 時代を超越するMark II C+~世界初3チャンネルアンプMark IIIの登場。

・発展期(19902001) MarkシリーズはIIIからIVへ。金字塔を打ち立てたDual/Triple Rectifierのリリース。

*以降順次公開予定です。

 

  

 

草創期(1969~1983)

■Randall Smith

世界で最初のブティックアンプカンパニーMESA/Boogie社の創始者/設計者であるRandall Smithは、1940年代にカリフォルニア州サンフランシスコに生まれ、父親がクラリネット奏者という恵まれた音楽的バックグラウンドで育ちました。11~12歳の頃に父親の友人が教えてくれた真空管のオーディオ回路をきっかけに、その後も友人とアンプやトランスミッター、ラジオ等を手作りするようになり、大学生の頃にはバンド仲間の壊れたアンプの修理をするようになっていました。

 

1960年代が終わりに近づくにつれ、San Franciscoのミュージックシーンは文字通り爆発的な勢いを増し急成長していきました。ジャンルにとらわれない素晴らしいミュージシャン達がカウンターカルチャーの中心地に集い、若い音楽探究者が一夜にしてポップアイコンへと変貌していきました。
このムーブメントの中で登場してきた新しい音楽が、エレキギターによる音楽でした。表現の手段として、エレキギターほど汎用性と音響的なパワーに優れた楽器は存在しませんでした。エレキギターは音楽的な面だけでなく、色気という面でも他に類を見ない楽器でした。
運命のいたずらによって、ドラマーでありサックスプレイヤーでもあったRandall Smithはこのベイエリアの6弦楽器の可能性に夢中になり、自身が創り出すアンプによって引き起こされることになるハイゲイン革命へと着実に歩を進めていったのです。

 

 

■ゲイン・コントロールの発明

1960年代後半、音楽革命がゴールデンゲートブリッジ、 Mill Valley、Lagunitas周辺で熱狂を増していました。友人の誘いで楽器の修理やメンテナンスを請け負うショップを始めたところ、多くのギタリストがアンプの修理に困っていたことから店にはお客さんが殺到。当時サンフランシスコで活躍していた有名なミュージシャンたちも例外ではありませんでした。そんなある日、練習用の小型アンプからものすごい大音量が出たらどうなるか?というジョークでCountry JoeというバンドのBarry MeltonのFenderの12W小型アンプPrincetonに改造を施しました。トランスを大型化してTweed Bassmanの回路を組み込み、2本の6L6真空管をパワーアンプセクションに使用、スピーカーもパワフルな12インチのJBL D-120に交換するという大掛かりな作業でした。アンプで歪みを得るためにはボリュームを上げるしか方法がなかった時代に、従来のボリュームでゲインをコントロールして増設したマスターボリュームで音量を調節する、という当時としては画期的な設計デザインは現代では当たり前のように採用されている技術ですが、このときの発想こそがその後の全てのアンプの礎となったのです。

 

その改造アンプを試奏したのが、たまたま通りかかったという若き日のCarlos Santana。初めて体験するサウンドに、”Man! That little thing really Boogies!(このアンプ、なんてブギーしてる音なんだ!)”と大絶賛。まさにこの瞬間が今後のエレキギターサウンドの有り方を決めたといっても過言ではありません。そのときのCarlos Santanaの言葉を気に入ったRandall Smithは、当時並行して行っていた自動車関連の事業で使用していたMESA Engineeringという社名と合わせて”MESA/Boogie”というブランドを誕生させました。そしてここから歴史が始まっていくことになるのです。

 

 

Carlos SantanaとセッションするRandall Smith

革新的なチャンネル・スイッチング

Carlos Santanaが絶賛したことが町中のギタリストに伝わり、改造プリンストンの注文が150〜200台と殺到。あまりの注文の多さにサンフランシスコの街からモディファイするPrincetonアンプが消えてしまったほどでした。

当時、ギタリストたちにとってサウンドの大きさとトーンのコントロールがうまくできないことは大きなストレスでした。充分なゲインを稼げないため、良いディストーションサウンドを得るためには音量を大きくしなければならなかったのです。Carlos Santanaもその問題に悩んでいた1人でした。そして、Randall Smithはオリジナルのアンプ開発と製造に着手し、1971年にMark Iと呼ばれる初代モデルがリリースされることになります(リリース当時はモデル名がなく後にMark IIが発表されたことでMark Iと呼ばれるようになりました)。

改造プリンストンのデザインを踏襲しながらも真空管を4本に増設した100W出力、さらに充分なサステインを得るために2つのボリューム+マスターボリュームという3ボリューム設計によりサステインを保ちながら自由に音量をコントロールすることが可能になりました。艶やかなクリーン~ハードなドライブまで多彩なサウンドを備えたこの画期的なアンプの登場は当時多くのギターアンプメーカーに衝撃を与えました。

 

ギタリストたちに無限のサステインをあたえたこの小さなBoogieハイゲインアンプは70年代の音楽に多大なる影響を与えることとなりましたが、Randall Smithの斬新なアイデアはそれだけでは終わりませんでした。1978年には、LEAD/RHYTHMの2つのチャンネルをフットスイッチで切替可能なMark II-Aを発表。現代でこそ多チャンネルアンプは珍しくありませんが、このモデルが世界初のチャンネルスイッチングアンプとなる画期的なものでした。その後1980年には世界初のチューブバッファード・エフェクトループを備えたMark II-Bをリリース。Class AとClass A/Bの真空管の動作を組み合わせたSimul-Classシステムのパワーアンプ回路もこのモデルから採用されるようになりました。Randall氏の時代を先読みするかのような類稀な設計センスは、ブランド草創期から多いに発揮されていたのでした。

original snakeskin Mark I

 

 

Randall SmithとMark IIA headをチェックするAl Di Meola

 

 

拡充期(19831989)

 

■時代を超越するMark II-C+

Mark IはCarlos Santanaをはじめ、Larry Carlton、Robben Ford、Keith RichardsやPete Townshend らの使用で一躍有名になりました。Mark IIもSteve LukatherやNeal Schonといったフュージョン系のプレイヤーはもちろん、ヘヴィミュージックシーンのMetallicaやBrad Gillisらが愛用し、ハイゲイン= MESA/Boogieというイメージを作り上げました。Mark II-Bは、1983年にはPull Bass Shift機能が追加され、エフェクトループの切替が可能なMark II-Cへと移行します。

 

そして翌1984年、ゲインをさらに押し上げ、ボイシングもさらに明るくするためにカスケードゲインリード回路にさらにもうひとつのゲインステージを追加した“デュアル・カスケード”回路を搭載させたMark II-C+が登場し、さらに多くのアーティストたちを魅了しました。翌年にはすぐにMark IIIが発表になったことで生産台数も少なく、そのサウンドの素晴らしさから現在でも入手困難な伝説のアンプとされています。

いまだMarkシリーズ史上最高傑作と言われるこのMark II-C+はMetallicaの”Master Of Puppets”での使用が最も有名で、James Hetfieldは”1984年にC +を鳴らした瞬間、それが自分が探して求めていたサウンドだったことに気がついたよ。 そして、そのサウンドが新しいレベルのリフを形作ってくれたんだ。” と語っています。

2016年にリリースされたJohn PetrucciのシグネチャーアンプJP-2Cは、巨大なトランスフォーマーからサーキットにわたって文字通り全てにおいて正真正銘のC+リイシューアンプとして製作されたことはまだ記憶に新しいです。John Petrucci本人もアンプリリース直前のインタビューでこう話しています。” 長年にわたってMESA/Boogieの様々なアンプを使用してきましたが、間違いなくII-C+が一番私に影響を与えた。シグネチャーアンプの開発が決定した時、私の焦点は既に決まっていました。“と。

 

1985年、Mark IIはそれまでの2チャンネル仕様からLEAD /RHYTHM 1/RHYTHM 2という3チャンネル仕様へと移行し、Mark IIIとしてさらに進化を遂げます。2チャンネルスイッチングですらまだ目新しかった当時としては先進的なモデルで、さらに多くのプレイヤーに浸透していくこととなります。網タイプの黒いグリルキャビネットとの組み合わせは、1980年代のハードロック/ヘヴィメタルシーンの象徴のひとつとなりました。

Kirk Hammett

 

Mark II ColiseumとHalf-back 4×12 Cabinet

■ラインナップの拡大

音楽シーンの変化とともにギタリストの機材も変化していきます。1980年代に入るとラックタイプの機材が主流となりますが、1987年にリリースしたQuad PreampやStudio PreampといったラックタイプのプリアンプはLAのスタジオミュージシャンたちがこぞって使用したことでも有名です。機能面を簡易化し出力をダウンさせながらもMESAならではのサウンドを楽しめるStudio 22や.50 Caliberといった機種は日本でも非常に愛されたシリーズでした。

 

MESA/Boogieはベースアンプにもアンプ史を語るには外すことのできない機種があります。そもそもMESA/Boogie社として一番最初に開発したのは実はギターアンプではなくベースアンプだったということは意外と知られていません。Mark Iをリリースするよりも前にMESA 450 Bass Headを製作。その後もMarkシリーズの成功と並行して開発/リリースを継続していきます。

そして1985年にリリースされたのがBass 400、1989年にはこのBass 400に6L6管を6本追加してトータル12本の6L6管を搭載したBass 400+が登場します。Paul McCartneyをはじめMark King、Stanley Clark、Jack Blades、Michael Anthony、Blasko、Bootsy Collinsといった錚々たるプレイヤーたちが、長きに渡って使用し続け彼らのバンドを支えていきました。MESA/Boogieは、この成功によってベースアンプ市場でのポジションも確立することになったのです。

Bass 400とDiesel 2×15 Cabinet

 

 

発展期(19902001)

■Mark IV

1989年、RHYTHM 1/RHYTHM 2/LEADの独立3チャンネルをフットスイッチでコントロール可能なMark IVがリリースされます。6ボタン・フットスイッチによりチャンネルごとに独立したGainやEQ、エフェクトループなどを足元で切替可能で、Externalコントロール端子によりMIDIスイッチャー等外部機器からのコントロールにも対応しました。また、パワーセクションではClass A/Simul-Classの出力切替やTriode/Penthodeの真空管駆動方式の選択によるボイシング、パワーアンプをミュートしてのサイレントレコーディングも可能なレコーディングアウトなど、今日では当たり前とも言える機能を30年も前に全て搭載していた画期的なモデルでした。多様性に富んだその機能とサウンドは、やはり世界中のギタリストたちを魅了しました。

Mark IIIは惜しまれながらも1999年に生産完了となりますが、冠を継承したMark IVはMarkシリーズとしては最長となる18年もの長きに渡って活躍し続けることとなります。現行のMark VのCHANNEL 3にはMark II-C+モードと並びMark IVモードを搭載しており、II-C+のレンジの広いブライトなトーンとは対照的なミッドレンジのゲインに重きを置いたタイトなリードトーンが特徴的です。

Mark IV Widebody 1×12 Combo

■時代が求めたハイゲインサウンド

1980年代のハードロック/ヘヴィメタルシーンにおいて、MESA/Boogieアンプのハイゲインサウンドは日に日にその存在感を増していきました。シーンと音楽の変化は、さらなる歪みを求めるギタリストを次々に生み出していきます。

そして1990年代に突入し、ハイゲインギタリストをターゲットにしたDual/Triple Rectifierが1991年にリリースされます。それまでにはなかった激しい重低音を伴ったディストーションサウンドはたちまち世界を席巻し、現在もなおハイゲイン/ヘヴィミュージックシーンのアイコン的存在となっています。

MESA/Boogieがハイゲインに特化することを目指して製作したDual/Triple Rectifierの象徴ともなっているフロントパネルはダイヤモンドグリルと呼ばれていますが、これはルックスもハードにするために当時消防車をモチーフに考案されたそうです。

なお、リリース当時のRectifierはVINTAGE/MODERNの2チャンネル仕様でしたが、2000年にはヘヴィなハイゲインサウンドはそのままによりバーサタイルなスタイルの3チャンネル仕様/全8モードへ移行。2010年にはチャンネルごとに出力設定が可能なマルチワット機能を新たに搭載し、モードごとのトーン等にもマイナーチェンジが施されより完璧なかたちに昇華されました。

 

Dual/Triple Rectifier後、1993年にはトレモロを搭載したTrem-O-Verb、94年にはヴィンテージサウンドを追求したBlue Angel、Maverick、98年には50WのSolo 50、リバーブを搭載したRect-O-Verbなどを次々にリリースし、Rectifierはその後もMESAにとって欠かすことのできない1つのシリーズとして確立していくこととなります。

1995年のMESAアンプ

 

Single Rectifier(Solo 50 Head, Rect-O-Verb)

 

これらの他にも、1990年に登場し2016年の生産完了までの26年に渡るロングセラーとなったTriaxisは、往年のMarkシリーズのプリアンプのトーンを収めたプログラマブルのオールチューププリアンプで、国内外の様々なギタリストに使用されました。

 

同年リリースされたDual Caliberは1984年にリリースされた小型アンプStudio .22の後継機種で、その後のF-Seriesへ続く系譜となります。ラックタイプの機材がどんどん主流になった頃にはMIDI信号を制御するためのMidi MatrixとMIDIフットコントローラー、複数のアンプを切り替えて使用するためのAmp Switcherもリリースしていたことは知らなかったという方も多いかもしれません。

 

オリジナルMark Iの25周年記念トリビュートとして考案されたHeartbreakerや、今日のMESAが得意とするオールマイティ/ヴァーサタイルなスタイルの先駆けにもなったNomad、真空管を搭載したペダルタイプのV-TwinプリアンプやV-1 Bottle Rocketオーバードライブなど、80年代後半から一気にラインナップを拡大した時期でもありました。

90s MESAラックマウント製品

(TriAxis, 20/20 Stereo Power Amp, Amp Head Switcher, V-Twin Rack, Dual Rectifier Rack, Coliseum 300)

 

 

MESA/Boogie 50th Anniversary ムービー

ここではMESA/Boogieアンプと関わりの深いギタリスト3名の方に現行モデルを試奏いただきMESAにまつわるインタビューを収録しました。

*以降順次公開予定です。

 

CaliforniaTweed x 磯貝一樹

 

普段Lone Starをご使用という磯貝さんには、最新のCalifornia Tweedを弾いていただきました。

 

https://mesaboogie.jp/california_tweed.html

MESA/Boogie® は 50年に渡る進歩の歴史を経て究極のクラシックアンプという原点に立ち戻り、

クラシカルなシングルチャンネル式のツイードアンプにMESA/Boogieが蓄積してきた革新的なアップデートを加えたアンプです。

 

 

JP-2C x Kuboty(ex.TOTALFAT)

 


Dual Rectifierをご使用でJPを愛してやまないというギタリストのKuboty氏には、JP-2Cをチェックしてもらいました。

 

https://mesaboogie.jp/jp2c.html

John PetrucciシグネチャーモデルでありながらMark II C+の完全リイシューアンプであるJP-2Cは、

JPファンだけでなく全てのMESAファンに一度は弾いていただきたいアンプです。

MESA/Boogieと生粋のMESAフリークでもあるJPの30年にも及ぶコラボレーションの中でリサーチや開発が行われ、

Mark II C+のサウンドと機能が昇華されています。

 

 

お問い合わせContact Us

製品の詳細につきましてはMESA BOOGIE日本公式サイトをご覧ください。
https://mesaboogie.jp/
MESA BOOGIE サイト(本国)
https://www.mesaboogie.com/
この記事に関するお問い合わせ
お問い合わせフォーム
←前のページへ戻る