
JHS 史上最大の「やらかし」から生まれたクリーンブースト
Fumble は、JHS Pedals の15年以上にわたる歴史の中で犯した「最大の失敗」から生まれました。2025年5月、JHS はソルダーレス DIY キット・ペダルの2作目となる「NOTADÜMBLË」を発売しました。このペダルには、Dumbleサウンドを代表する2種類の回路を搭載しており、オーバードライブ・セクションは Larry Carlton、Eric Johnson、Robben Ford といったプレイヤーを象徴するリードトーンを再現する、ブティックスタイルのオーバードライブです。しかし、クリーン側には本来、Howard Dumble が1980年代にアンプとは別に製作したバッファード・エフェクトループ・デバイスである「A Box Later」をリバースエンジニアリングした回路を搭載する予定でした。その希少な実機を所有している John Mayer から借り受けたのち、解析・複製を行い「Box It Later」と名付けたこのレプリカは、2021年以降、John Mayer のペダルボードに組み込まれ、世界中のツアーを共にしています。しかし、発売から1週間後、NOTADÜMBLË を紹介する動画を制作していた際に JHS の Josh は、まったく別の回路が搭載されていることに気付きました。それは2019年に、John Mayer のためにリバースエンジニアリングした別の Dumble 製プリアンプでした。
JHS Pedals は残っていた在庫を販売したのち NOTADÜMBLË V1 を生産完了としましたが、多くのユーザーから「あのクリーン回路だけを単体で販売してほしい」という声が寄せられました。そして誕生したのが、「Fumble」(しくじる)です。Fumble は、John Mayer のために複製したもう一つの回路 ――「Dumble BBC-1」を忠実に製品化したモデルです。DIY キットではなく完成品として小型筐体に収め、今回の失敗から少し自虐的なネーミングである「Fumble」を与えました。さらに調査を進めると、この BBC-1 回路は本家 Dumble のオリジナルではなく、1970年代の Barcus Berry 製アコースティック・プリアンプからほぼそのまま引用された JFET プリアンプであることが判明しました。ハワード・ダンブル氏はこの回路を自身のエンクロージャーに収め、LA の一部のプレイヤーに提供。同じ JFET ステージを自身のアンプにも搭載し「FETモード」と呼んでいました。つまり、伝説的な高額アンプに搭載された“FETサウンド”の正体は、1970年代のピエゾ・プリアンプのクローンだったのです。FUMBLE は、そのクローンのそのまたクローン。ペダル史上でも稀有な3世代先のレプリカです。
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